幸せを紡ぐ物語

  1. 物語【誰も知らない】第3話

    ホウホウホウホウ…森の神様の語る声。ほらほら春はもうすぐですよ。森の生き物たち、もう少しの辛抱です。土の中で眠るものたち、目覚めの時が近づいていますよ。私には新しい季節の足音が聞こえています。そよそよそよそよ…風の声。さあさあ南の風がやってきましたよ。

  2. 物語【good night】第2話

    ねえねえ聞いて、私の話。私はそれから旅をして、いろいろな人に出会ったわ。ある町で出会ったある人は、私に優しさを教えてくれたの。その人の優しさは暖かいオレンジをした光で、心細さで一杯だった私の心を癒してくれた。私はその光を受けとると、自分の心にそっとしまったわ。

  3. 物語【希望の歌】第1話

    この地は悲しみに覆われていた。空は黒ずみ、木々の葉は落ちたまま緑に茂ることもなく、草花は枯れ果て、人々は絶望とともに生きていた。昔は良かった…。幼い頃に見た景色はどこへ行ってしまったんだろう。この世界には希望がない。

  4. 物語【誰も知らない】第2話

    ざわざわざわざわ…木々の声。まだまだ風が冷たいね。今日は特に冷えること。森の中の生き物たちは寒くはないかしら。さあ、今日もこの森を守りましょう。ひそひそひそひそ…生き物たちの話し声。まだまだ春は遠くだね。

  5. 物語【good night】第1話

    ねえねえ聞いて、私の話。私はここで生まれたの。ここってどこ?って聞かれたら、それはこのカラスウリの花って答えるわ。カラスウリの花ってね、夜になると咲いて次の朝にはしおれてしまうの。

  6. 物語【cross road】最終話

    いろいろな雑音が混じりあう交差点で、この星の歌が聞こえてきました。ジョン・レノンという地球人の歌です。この人が言った言葉が私をいつも励ましてくれます。君が独りの時、本当に独りの時、誰もができなかったことをなしとげるんだ。だから、しっかりしろ。

  7. 物語【誰も知らない】第1話

    誰も知らない森の中。外の世界から森を守るかのように高い木々が立ち並び、木漏れ日が当たる地面は草に覆われ、いつもしっとりと湿り気を帯びています。その地面の下の土の中は、柔らかくて暖かくて、居心地の良い暗闇。私はこの森の地面の中で、孵化する時を待っています。

  8. 物語【夜間飛行】最終話

    やがて、小さな自分のアパートへ舞い戻った青年に、翼をつけた女性が言いました。「あなたはどこへでも行くことができる。想像力という翼を広げて、どこへでも…」女性はにっこり微笑むと、パサリとわずかに羽の音をさせて、夜の空へと飛び立っていきました。

  9. 物語【cross road】第3話

    必ずまた会える誰かを信じられるなら、一人も時には楽しいものです。でも、それは孤独ではありません。孤独が好き、なんて言う人は、本当に孤独な思いをしたことがない人なのでは?なんて思ってしまいます。ふと、故郷の星を探して空を見上げました。私はもう二度と生まれた星へは帰れないのです。

  10. 物語【小さな灯】最終話

    小さな天使は、たくさんの明かりが消えてしまった暗闇の場所で、たった1本だけでも明かりを灯しているろうそくを見ると、健気さに胸を打たれました。そして、たった1本の明かりを励ますかのように、消えたろうそくに「希望」の明かりを灯してまわりました。

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