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幸せを紡ぐ物語
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物語【happy moon】第3話
2人はふと、ベンチが1つあるだけの寂れた公園に目を留めました。「ねえ、見て。あの公園にいる男の人。一人ぼっちで考え込んでいるわ。」「そうだね、深刻そうな顔をしているね。」「問題に立ち向かおうとしているのね。」「まだ心が揺れているけど、きっと立ち向かえるさ。
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物語【シャボン玉】最終話
「いつもあなたを見ています。遠くの空から見ています。」今日もまたあの夢を見ました。1ヶ月に1度、必ず見る夢。どこか遠くの空から私に語りかける声がして、私は声の主を捜すのだけれど、あたりには誰も見当たりません。見上げる上空には青い色が広がり、たくさんのシャボン玉が舞っています。
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物語【happy moon】第2話
「さあ、仲直りの魔法をかけてあげよう」羽の生えた男の子が手のひらを広げてふうっと息を吹きかけると、月の下に広がる街に、一枚の黄金の羽根が舞い降りました。黄金の羽根は公園の恋人たちのもとに届くと、2人の頭の上で淡雪のように消えました。喧嘩をしていた恋人たちは、ふとお互いの顔を見ました。
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物語【シャボン玉】第4話
こんばんは。私は星です。いつもあなたを見ています。暗くなった道、仕事を終えて家路を急ぐあなたを、いつも見ています。あなたは一日が無事に終わったことに感謝しながら、私に「ありがとう」と言ってくれますね。
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物語【シャボン玉】第3話
こんにちは。私は風です。いつもあなたを見ています。春に吹くそよ風も、夏に吹くさわやかな風も、秋に吹く優しい風も、冬に吹くひんやりした風も、いつもあなたを見ています。そよ風の中を歩くあなたは、いつも鼻歌まじり。季節の移り変わりを告げる風に、人生を愛おしむ。
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物語【羽ばたく】最終話
「他の鳥と同じものは与えられなかったけれど、あなたは今、自分の力で生きています。ちゃんと生きると言う役目を果たしています。」涙を流して天使を見つめる白い鳥に、天使はニッコリと微笑みかけました。
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物語【桜の季節】最終話
あなたと私は散った桜の花びらを踏みながら、坂道を上りました。坂のてっぺんまで来ると、坂の上からところどころピンク色に染まった街が見えました。街を見下ろしながら、あなたがつぶやきました。「希望とは…」「希望とは?」私はあなたに問い返しました。
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物語【シャボン玉】第2話
こんにちは。私は空です。いつもあなたを見ています。晴れた日も曇りの日も雨の日も、毎日を丁寧に生きるあなたをいつも見ています。あなたは毎朝起きるとすぐに窓を開け、私に「おはよう」とあいさつをしてくれますね。
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物語【桜の季節】第1話
ある春の日、その年一番桜が美しかった日。満開の桜の花を眺めながら、あなたがつぶやきました。「優しさとは…」「優しさとは?」私はあなたに問い返しました。あなたは私を見つめ、黙ったまま微笑みました。それがあなたの優しさ。
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