幸せを紡ぐ物語

  1. 物語【night piece】最終話

    「私の飼い主は一人で暮らしていた時だって、とても幸せそうだったよ。自分を愛して慈しんでいたからね」「その人は…1年前に亡くなったの?」「いや、元気だよ」猫がニヤリと笑いました。「1年前に王子様が現れて、一人暮らしではなくなったのさ。

  2. 物語【night piece】第5話

    「彼女にだって長い人生の中では色々なことがあっただろう。だけど、家を花で飾り、いつでもきちんとおしゃれして、お気に入りのカフェでお茶を飲み、1人で夕食を食べる時もきれいに盛りつけて、豪華じゃないけど自分のために美味しいディナーを用意して。

  3. 物語【night piece】第4話

    「君がなぜ寂しいのかわかるかい?君が寂しいと思っているからだよ」私をじっと見据える猫の目がきらりと光りました。「この家は私の飼い主の家さ。飼い主はとてもかわいい老婦人だよ。

  4. 物語【night piece】第3話

    角を曲がると街の印象が広々としたものに変わり、家々を照らす月さえも輝きが増したように感じました。大きな家、広い庭、門のところに必ずついているセキュリティマーク。ゆったりと立ち並ぶ家の外観はけして派手ではないけれど、センスの良さと高級感が溢れ出ています。

  5. 物語【night piece】第2話

    私は見知らぬ猫とともに、夜の散歩に繰り出しました。この街に住んで2年になるけれど、この街のことは良く知りません。「もう少し行くと高級住宅街だよ」私の斜め前を歩きながら猫が言いました。「それは知ってるわ。

  6. 物語【night piece】第1話

    眠れない夜、窓を開け小さなベランダから通りを見下ろしていました。誰もいない街。人の気配を感じない夜の街は、まるでゴーストタウンのようです。ぼんやり照らす街灯の灯りの中、一匹の猫の姿が見えました。「こんばんは」私の方を見上げた猫が挨拶をしてきました。

  7. 物語【night game】最終話

    ふと我に返って見回す部屋は、どう見ても質素な一人暮らし。窓の向こうのベランダでは、取り入れ忘れた洗濯物が揺れています。

  8. 物語【night game】第2話

    明日は朝からおしゃれして、外国のお店が建ち並ぶあの街へショッピングに出かけましょう。週末のパーティに着ていくドレスを選んで、宝石店でアクセサリーも買うの。お買い物に疲れたら高級なレストランで3時間かけてゆっくりランチ。

  9. 物語【night game】第1話

    一人で過ごす夜、大きな窓から見下ろす都会、エラい社長さんが座るようなゴージャスな椅子に身を沈めて、ゆったり時を過ごしましょう。肘掛けに置いた手にはブランデーグラス。グラスの中の琥珀色の液体から立ちのぼる芳香な香り。気分をだしてグラスをまわしてみたりして。

  10. 物語【夏の終わり】最終話

    もう夏が終わろうというある日、私が海の見える丘へ行くと、女の人はいませんでした。いつも2人で並んで海を見た木陰はただ風が吹き抜け、ざわざわと木の葉たちが揺れています。約束をしているわけでもないし、いつも会うわけではなかったけれど、妙な胸騒ぎを覚えて私は辺りを見回しました。

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