1. 物語【喝采】最終話

    今夜も日付が変わる頃になると客たちが集まり、店の中は上品な賑わいに満ちあふれた。グラスをかたむけながら語り合う紳士淑女、女性たちの軽やかな笑い声が店の空気を楽しげに揺らしている。しばらくすると、店のオーナーが客たちに静粛を求め、1人の歌い手が舞台に現れた。

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  2. 物語【風の匂い】第1話

    夕暮れ近く、学校帰りの男の子が1人、野原でぶらぶら道草をしています。遠くの街から引っ越しをしてきた男の子は、夏休み明けから新しい学校に通いだし、ちょっとずつ友だちも増えてきました。けれど、学校の帰り道、早くも吹き始めた秋風を感じると、ちょっと寂しい気持ちになります。

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  3. 物語【喝采】第3話

    そんなある日、もう日が暮れた頃、空き地で1人歌う女に声をかけるものがいた。声をかけてきたのはクラシックなスーツに身を包んだ上品な紳士で、この近くにある高級クラブのオーナーだと自己紹介をした。紳士は女の歌を賞賛し、自分の店の歌手として舞台に立たないか、と誘ってきたのだ。

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  4. 物語【喝采】第2話

    女が歌手を夢見てこの街へやってきたのは5年前。けれど、一人田舎からでてきて誰も知るものもいない女が歌手として成功するなど、一筋縄でいくわけがない。女は昼間は街のレストランでウェイトレスとして働きながら、夜になるとチャンスをつかもうといろいろな店を回った。

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  5. 物語【喝采】第1話

    ある街のはずれ、真夜中になると、どこからかかすかに歌声が聞こえる。その店がどこにあるのか、誰も知らない。夜、もう日付が変わる頃になると客たちが集まり、店の中は活気づく。グラスをかたむけながら語り合う紳士淑女。婦人たちの軽やかな笑い声に、店の空気が楽しげに揺らめいた。

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  6. 物語【黄色いバラ】最終話

    店をあとにする女性に、店主が黄色いバラを手渡しました。「あの日も黄色いバラをいただきましたね」「はい、黄色いバラの花言葉は友情です。自分の花を咲かせようとするあなたに友情のエールを贈ります」「ありがとう」女性は黄色いバラを大切そう受け取りました。

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  7. 物語【黄色いバラ】第4話

    独り言のようにつぶやいた女性に店主が言いました。「バラの季節以外にも店はやっていますよ。いつでもあなたをお待ちしています」「ありがとうございます。

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  8. 物語【黄色いバラ】第3話

    「あの時、あなたは私がなぜ泣いているのか、聞きませんでしたね」店主はだまって女性の言葉を待ちました。「私、あの日恋を失ったの」さらりとした笑顔で女性が言いました。「どうりで。

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  9. 物語【黄色いバラ】第2話

    「去年の今頃、雨の日に…」女性が言いかけたとき、店主の記憶にあの雨の日がよみがえりました。「あなたはあの時の…」「はい」「見違えました。お元気そうで」「はい」と答えると、女性は照れたように笑いました。

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  10. 物語【黄色いバラ】第1話

    このカフェの名前は「黄色いバラ」。とびきりオシャレ、というわけでもなく、町の喫茶店、と言うほうがあっている、でもどこか雰囲気のある佇まい、そんなお店です。バラの季節には毎年黄色いバラがテーブルを彩り、いつもよりちょっぴりお店が華やぎます。あるバラの季節のできごとです。

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