in blue
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物語【in blue】最終話
途切れない日常と非日常。海の底の透明感と静けさの中で漂う人魚は、日常も非日常も知りません。濁った海面から見るあの人は、なぜ恋人を失ってまで働くのでしょう。涙も一時のドラマも、何もなかったかのように海はさざめいています。
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物語【in blue】第3話
ある日人魚が公園を見ると、いつも男性が休んでいるベンチに女の人が座っていました。しばらくすると高層ビルからあの男性が出てきて、その女の人と何か話し込んでいます。「あの人の恋人だわ」人魚はちょっぴり胸が痛みました。
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物語【in blue】第2話
「あ、またあの人だわ」人魚は高層ビル群から繋がる海沿いの公園に目をやりました。男性は毎晩のように遅い時間、仕事を終えるとこの海沿いの公園のベンチで、ほんの10分だけ物思いに耽ってから帰宅するのです。男性は今夜も、自動販売機でコーヒーを買うと、ベンチに座り疲れた様子で一息つきました。
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物語【in blue】第1話
濁った都会の海の、深い深い底。その深さが汚れを消し去った後には限り無いブルー。この都会の海の底に、人魚が住んでいました。人魚は、今日も海面に浮かび人間たちのドラマを垣間みています。立ち並ぶ高層ビル、水面に写る深夜でも消えないビルの明かり、時間を忘れて働くビジネスマン。
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