幸せを紡ぐ物語

  1. 物語【誰も知らない】最終話

    この森に春が来ました。居心地の良い土の中から旅立つ時がやってきたのです。土の外はどんな匂いがするのかしら?どんな風が吹いているのかしら?土の中から這い出た私は、生まれて初めて羽を広げ、まだ少し冷たい春の空気を吸い込みました。今、世界のすべてが、私に手を差し伸べています。

  2. 物語【誰も知らない】第3話

    ホウホウホウホウ…森の神様の語る声。ほらほら春はもうすぐですよ。森の生き物たち、もう少しの辛抱です。土の中で眠るものたち、目覚めの時が近づいていますよ。私には新しい季節の足音が聞こえています。そよそよそよそよ…風の声。さあさあ南の風がやってきましたよ。

  3. 物語【誰も知らない】第2話

    ざわざわざわざわ…木々の声。まだまだ風が冷たいね。今日は特に冷えること。森の中の生き物たちは寒くはないかしら。さあ、今日もこの森を守りましょう。ひそひそひそひそ…生き物たちの話し声。まだまだ春は遠くだね。

  4. 物語【誰も知らない】第1話

    誰も知らない森の中。外の世界から森を守るかのように高い木々が立ち並び、木漏れ日が当たる地面は草に覆われ、いつもしっとりと湿り気を帯びています。その地面の下の土の中は、柔らかくて暖かくて、居心地の良い暗闇。私はこの森の地面の中で、孵化する時を待っています。

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